もこの日記 ①
こんにちは。
アタシ、世界のプリティー戦士☆
(戦士と書いてアイドルって読むのよ)
もこ よ!
今日は特別にアタシが日記を書くわ。
アタシがこの家に来てあげてから
今日で5日目ね。
別にアタシは
ここに来たかったわけじゃないわよ!
あの夫婦がどうしてもアタシが欲しい
って言うから
しょうがなく来てやったのよ!
だってほら
アタシはトップアイドルじゃない?
ファンサービスも大事かと
思ったのよ。
…それに、あそこの暮らしも
飽きてきたし。
何ヶ月もあんな所に
閉じ込められてたら
誰だって飽きるでしょ!?
え?
アタシはもうすぐ7ヶ月よ?
…別に売れ残ってた訳じゃないわ!!
下僕にしてやってもいいと思える人間が
他にいなかっただけよ!
…そういえば あの夫婦
いつも猫なで声で
アタシに話しかけてくるの。
いくらアタシが可愛いからって
下僕の分際で
気軽に話しかけて欲しくないわ。
なんたってアタシは世界のスーパー☆スターよ!
アタシ、覚えてるんだから。
あの夫婦、今はアタシの虜だけど
初めて会った時
アタシのこと なんて言ったと思う?
『うわ〜 この猫 薄汚くてブサイクだわ〜w』
よ!?
この高貴なる美猫のアタシを
汚くてブサイク、ですって?
ブリティッシュ・ショートヘアー界の
カリスマ もこサマに対して
何たる無礼!!
許せないわ
でもまあ 女の方は許してやらない
こともないわ。
いつもアタシに美味しいご飯を
作ってくれるし。
…アイドルたるもの
心の広さ、器の大きさも
時には必要よ。
問題は男の方よ!
あの男、ペットショップでアタシのこと
見向きもしなかったのよ!
アタシの斜め下にいる
アメリカンショートヘアーの小娘に
夢中だったわ。
アタシの魅力がわからないなんて
大した男じゃないわね。
しかも、今でも
『もこちゃんさ、動画や写真撮っても
黒くて顔が全然わかんないんだよね〜』
とかって
クレーム言ってくるのよ
ハァ?
アンタの才能ないのを アタシの所為に
しないでくれる?
いい? よく聞きなさい
アタシの毛色はブルー&クリーム!
黒じゃないし、う○こ色でもないわ。
汚いなんて失礼よッ!
天下の大英帝国の女王(猫)の
血筋を受け継ぐ
由緒正しきプリンセスよ!
頭が高いわ!ひれ伏しなさい!
…ん?
アタシの為に
超高級ネコちゃんおやつを献上する?
…アナタなかなかいい心がけね。
やっとアタシの魅力がわかったようね
下僕として、悪くないわ。
これからもアタシの為に
誠心誠意、仕えていきなさい!
そうすれば
ちょっとは撫でさせてあげてもいいわ。
おしまい。